★ 私と点心
餃子で1年の幸福を占う「咬春」の思い出
曲 学礼 さん 札幌市中央区

昭和17年、農業を勉強するために来日して以来50年あまりがたちます。日本人女性と結婚し、4人の息子にも恵まれて今では札幌で中国と日本の橋渡しをする貿易会社を経営しています。
私の故郷、山西省運城市は山に囲まれた、それは広大な平原が続く自然の豊かな土地でした。ここで子供の頃、お正月などの母親が作ってくれた麻花や元宵はいまでも私の大好物です。
お正月といえば、中国では山のように餃子を作って食べる習慣があります。このときに餃子のなかのいくつかに、ひそかに銀貨や小銭を入れて、それを咬みあてた人はその1年幸福に恵まれるとされ、大人も子供も、胸を踊らせてこの占いを楽しんだものです。この占いのことを中国では「咬春」といいます。今でもなつかしくて来客のときなどに作って楽しむんですよ。もちろん点心に関しては、いつでも私が腕をふるっています。
※ 1994年春節に際して 北海道新聞社発行の冊子に掲載された小文です。 資料提供:X星人
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