北海道の中国料理を支えるパートナーとして

晋南貿易株式会社

所 在 地 札幌市中央区北2条東2丁目1番地

代 表 者 曲 健三

創 業 年 1953 年

事 業 内 容 食品総合卸業

 

中国のみならず、各国の食材を幅広く取り扱い、コンビニエンスストアや中国料理レストランも手がける晋南貿易は、まだ日中の国交がない時代に、北海道大学で学ぶ中国人留学生が立ち上げた会社だ。創業から半世紀を超えた現在、「食材」への関心はこれまでになく高まっている。元留学生の羅正喜(ラ・ショウキ)さんと蘇美婭(ソ・ミヤ)さんは、創業主のスピリットを受け継ぎ、今日も道民の「食」への期待に応えている。

本場志向で高まる食材への関心

 晋南貿易は1953 年、曲学礼(キョク・ガクレイ)さんが、北海道大学留学中にクラゲを仕入れて販売したことから始まる。以来、半世紀以上にわたって中国料理材料を販売し、現在ではエスニック料理、アジア料理、西洋料理、日本料理の素材など幅広い食材を取り扱う。営業エリアは札幌を中心に、道内一円に広がり、ホテルや料理店、レストラン、デパートの食品売り場、給食産業、病院食など顧客の業種も多岐にわたっている。

 「わたしの父親が会社を立ち上げたころは、日本と中国の国交もなく、国内に中国の食材はほとんど流通していませんでした。クラゲやナマコなど、いろいろな食材を輸入して食べてもらおうとしても、中国料理そのものに馴染みがなかったので、なかなか口にしてもらえなかったと聞きます」と話すのは曲健三代表取締役専務。その後、日本風にアレンジした中国料理が一般家庭にまで浸透し、料理ジャンルとしての認知度は上がったが、本来の多様な中国料理はまだ紹介しきれていないと言う。最近では「本物志向」や「本場志向」「素材へのまなざし」といった気運の高まりとともに、同社の取り扱い商品に対する関心も高まり、Web サイトでの販売も堅調に進んでいる。

社内のチームワークを築く

 業務部に所属する羅正喜さんと、管理部経理課の蘇美婭さんはともに元留学生。羅さんは瀋陽市出身で、札幌大学の経営学部経営学科で学んだ。お得意先からの紹介で同社と縁ができ2007年に卒業と同時に入社した。

 蘇さんは内モンゴル自治区通遼市から酪農学園大学大学に留学、大学院に進んで農業経済学を専攻した2009年に採用されたばかりで「この前まで、寝ているときも、夢に仕事が出てきました。電話に出ても得意先の名前がぜんぜんわからず、肝心の商品もなにを注文されたのかわからなくて、ドキドキしながら、いつまでも受話器を握り締めている夢です」と笑う 。

 「会社を作った人間が留学生ですし、社内に中国料理や中国食材がたくさんあります。お客様も中国のかたが多く、当社は札幌の中にある『異国』であり、われわれにとっては『母国』ということもできます。わたしたちは社内でのチームワークをとても大切にしています。今は、2年先に入社した羅さんが、蘇さんをいろいろ見てあげていますね。」と曲専務は話す。

 日本での生活の不安は最初だけ、羅さんは言う。「慣れてくると日本人の優しさがわかります。私たちにとって馴染みやすく、働きやすい国ですね」。

興味深い日本の文化や生活

羅 正喜さん ラ ショウキ  (写真右)

1981 年、中華人民共和国遼寧省瀋陽市生まれ

酪農学園大学経営環境学部卒業

現在、管理部経理課で受発注業務などを担当

 

蘇 美婭さん ソ ミヤ

1981 年、中華人民共和国内モンゴル自治区通遼市生まれ

札幌大学大学院経営学部卒業

現在、業務部で注文品の手配や商品管理などを担当

ファッション文化に興味(羅さん)

 中国にいたときは、中学校のときからずっと日本語を専攻し、札幌大学の入学前に2 年間、札幌の日本語学校で学びました。それでも大学の専門的な用語などはとても難しかったですね。就職のときはすごく不安でした。いろいろな会社に関しての情報をインターネットで調べましたが、ネット情報と実際は違う、とも聞いていましたので、まずは社会人になって経験を積み上げながら、自分の目で判断していくしかない、と思いました。現在は業務部のスタッフとして、注文を受けて、商品を発注をしたり、発送の手続きなどを担当しています。会社にとって必要な人材になりたいと考えています。日本の文化で興味があるのはファッションですね。日本の女の子たちは、自分の好きなものだけを組み合わせて着こなしていますが、それが上手なんですよ。

順番を守る生活に感心(蘇さん)

 わたしの姉が先に酪農学園大学に留学していて、いい大学だよ、と勧められて入学しました。経営の勉強がしたかったので、経営環境学部に入りました。入学前に、専門学校の日本語コースで2年間勉強しましたが、アパートを借りるときに、外国人には貸せないと断られたことがあり、困りましたね。最終的には知人に保証人になってもらいました。慣れない日本語での授業についていくのは大変でしたが、大学生活は楽しかったですね。現在は、経理課に所属し、午前中は仕入れ業務や入力作業、午後からは受発注の業務で、伝票の作成などを担当しています。日本の生活で感心するのは、バスを待っているとき、きちんと並んでいるところです。中国では順番や優先順位などはおかまいなしに、割り込む人が少なくありません。札幌のまちもきれいですし、緑の多い環境も大好きです。

採用担当者(社長)のひと言

採用担当・曲健三社長
採用担当・曲健三社長

 羅さんは、仕事はもちろん、気配りもできる人です。カラオケに行ってみんなが歌っているときに、お世話をしたり、飲み物をオーダーしたりと、下支えする姿勢にとても好感が持てます。わたしたちの仕事はサービス業なので、これはスキルにつながる基本的な素質といっていいでしょう。

 蘇さんは、札幌の中国領事館でお正月のお祝いのときに出会って、日本向けの中国料理の状況や、札幌の中国料理のレベルなどで話が盛り上がり、うちの会社で思う存分働いてみて、ということで入社してもらいました。仕事もでき、礼儀作法や言葉遣いもしっかりしているので、社のスタッフや顧客からも信頼されています。

晋南貿易では

日中友好のさらなる増進を目指したイベント「祝新中国建国60周年・日中友好交流週―China Fes In Sapporo」(2009 年10 月3 日~ 11 日)にあわせて、期間中にスタンプパスポートを持参して登録店(札幌市内の94の中国料理店)の3店舗で食事をすると新千歳~大連往復航空券などが当たるイベントを企画・運営し、好評を博した。

本記事は2010年札幌商工会議所国際部が発行した

【札商アジアン・ブリッジ・プログラム】「留学生採用の成功事例集」に掲載されたものです。

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